●入浴について
【入浴時】
■温泉に入る際は、十分にかけ湯、かぶり湯をし体をお湯に慣らしましょう。
■貧血状態を招きやすい空腹時、消化不良を招きやすい食事直後の入浴は避けましょう。
■入浴後は肌に付いた湯を洗い流さず、タオルで押さえる程度にしましょう。 ※ただし過敏肌の場合は、湯ただれを起こしやすいので適宜洗い流した方がよいでしょう。
【入浴回数の目安】
■健康な人は……1日2回〜3回程度
■高齢者、乳幼児、体の弱い人は……1日1回〜2回程度にしましょう。
【時間の目安】
■熱めの湯では……10分程度
■ぬるめの湯では……20分〜30分程度
●温泉の禁忌
温泉療法は、泉温・泉質・水圧などの刺激に対するカラダの順応反応を利用します。消耗状態、過敏状態にある場合は適しません。
発熱時・急性疾患・進行期・重症状態・妊娠初期と後期などの場合は、温泉浴に適さないので避けましょう。
また、高血圧症・動脈硬化症・心臓病・呼吸器病・高齢者の場合は、42度以上の高温浴を避けます。泉質により薬理作用が異なるので、自分の症状にあった温泉を選ばないと逆効果となるおそれがあります。
●入浴後
温泉に入った後はぐっすり眠れるようになるそうです。これは、さっぱりスッキリといった心理効果だけでなく、薬理作用の刺激によりかなりのエネルギーを消費しているためだそうです。
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●温泉について
■単純温泉
無色透明で無味無臭の、日本ではもっともポピュラーな温泉です。含有物質が少なく、刺激が弱いので、病後回復期や外傷後の療養などによいとされています。「名湯」といわれる温泉が多く、高血圧、動脈硬化、神経症を含めて万病に効くとされています。
■二酸化炭素泉
炭酸ガスの気泡が肌に付くのが特徴です。毛細血管を広げて血圧を下げる効果があり、低温泉が多いですが、日本にはこの泉質の温泉は少ないです。
■炭酸水素塩泉
無色透明のアルカリ性の湯が、皮膚の角質をやわらかくして脂肪分や分泌物を洗い流し、しっとりとした肌になります。飲用すれば、痛風、慢性胃炎、胆石に効き、入浴すれば、リウマチやじんましん、
尿病などに効くとされています。
■塩化物泉
単純温泉と並んで、最も数の多い温泉です。保温効果が高く、温泉名に「塩」とつくところはほとんどがこの泉質です。なめると塩辛いのが特徴で、浴用では関節痛、筋肉痛などの症状を和らげ、飲用では胃腸病に効果があるとされています。
■硫酸塩泉
マグネシウム、カルシウム、ナトリウムなどを多く含んでいます。大別すると、便秘や胆道疾患に効く芒硝泉、鎮静効果に優れ高血圧や動脈硬化の予防になる石膏泉、苦い味に特徴がある正苦味泉に分かれています。
■含鉄泉
鉄泉は、鉄分が多く浴用・飲用ともに貧血症や更年期障害に効果があるとされています。湧きだしたときには透明ですが、空気に触れると酸化して褐色になるのが特徴です。皮膚や粘膜を引き締める収れん作用が強く、慢性の皮膚疾患や結膜炎といった、慢性の粘膜疾患に効果があります。手足の多汗症や静脈瘤にも効果を発揮します。
■硫黄泉
硫化炭素ガスが含まれるため、卵が腐ったような独特な匂いと白濁色の湯が特徴です。毛細血管を広げ、血圧を下げる作用があり、浴用、飲用ともに療養効果は高く温泉治療に適した泉質とされています。
■酸性泉
殺菌効果の高い温泉です。水虫、湿疹など、慢性の皮膚病によく効くが、肌にしみるような強い刺激があり、湯ただれを起こすことがあるので注意します。日本特有の泉質です。
■放射能泉
一般的にはラジウム泉といわれ、万病に効くため昔から療養向けの名湯に多いです。痛風、糖尿病、リウマチ、循環器障害、神経痛に効くとされ、飲用すれば尿結石などにも効きます。
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